中央社会保険医療協議会(中医協)が24日に仙台市青葉区で開いた公聴会では、意見発表者から、東日本大震災の被災時などの経験を基にした要望が相次いだ。近隣で働く医療従事者は、災害時に備えた有床診療所の評価や、「お薬手帳」の推進などを提案。保険者や患者の代表からは、経済の状況が厳しい中、診療報酬の引き上げに難色を示す声が上がった。【佐藤貴彦】
「3年前の東日本大震災で、当院は大規模半壊の被災を受けた」-。壇上から、そう話し始めたのは、宮城県気仙沼市の有床診療所で院長を務める男性だ。診療所は鉄筋コンクリート造だったが、2メートル以上の浸水被害を受け、「診察室や受付、検査室、処置室の部分は事実上全壊」した。しかし、入院していた患者の治療を続けるだけでなく、空いていた病室を診察室に改めることで、被災後1週間で外来診療を再開。近隣の在宅診療にも乗り出した。
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