米国の病院で診療の補助以外にも診断や診察、薬剤の処方などを行うナースプラクティショナー(NP)。米スタンフォード大学病院の指導医として、NPと共に救命救急医療などに携わる御手洗剛氏は、「カウンセリング能力に優れ、患者満足度の高い医療を提供できる」と、NPの能力を評価している。NPの職域や、日本での看護師の特定行為の在り方、将来的なNP制度導入の可能性などを聞いた。【聞き手・松村秀士】
―実際にNPはどのような診療行為を行っているのでしょうか。
プライマリーケアからICU(集中治療室)まで、その活躍領域は広範囲におよぶので、一言で説明するのは難しいですが、医師と同じように診察や検査のオーダー、診断、薬の処方、カウンセリングなどを行っています。病棟で働くNPは患者をER(救急救命室)から病棟に入院させたり、退院させたりもします。
一般的に、専門性や緊急性が高い領域ではNPは医師と協働して診療を行い、重要な判断は医師に確認したり、相談したりする場合が多いです。一方、プライマリーケアでは、州ごとに差があるとはいえ、医師からより独立して診療を行う傾向が強いです。スタンフォード大学病院のICUや病棟で働くNPは手技も行いますが、PA(医師助手)のように手術室で医師を補助するNPは、全部で162人いるうち、4人しかいません。
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