「以前はご多分に漏れず、“なんちゃって急性期病院”だった」-。そう話すのは、兵庫県姫路市にある医療法人社団健裕会中谷病院の中谷裕司理事長。しかし、同院は生き残りを懸け、2000年に療養病床へ転換する道を選択。あえて重症患者を積極的に受け入れることで、近隣の急性期病院のニーズをつかんだ。それでも、療養病床だけでの経営は難しく、それを支えるほかの事業があるからこそ経営が成り立っているという。中谷理事長は、「独り勝ちするつもりはなく、むしろまねをしてもらえる中小病院が生き残るモデルになりたい」と話す。では、具体的にはどのような収益構造なのか。【坂本朝子】
生き残りを懸けた当時のコンセプトは、「地域に必要な病院になること」。この規模の病院で、医師や看護師の数でできる医療は慢性期医療と判断し、「急性期から頼りにされる病院」という戦略へかじを切ったと中谷理事長は説明する。しかし、看護師の配置は実数では13対1と一般病床並みを維持。いつでも急性期に戻れるくらいの医療の質で、あえて療養病床をやるというスタイルを取った。
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