受けたいと思ってはいても時間がないし、面倒だしと、ついつい行きそびれてしまう健康診断。それなら、こちらから出向こうと、兵庫県の尼崎市は昨年、大手コンビニエンスストアのローソンと協働して、コンビニの駐車場で健診をする「コンビニ前健診」を実施した。受診後は、保健師が検査データの見方や食生活の改善を解説する説明会を開くなどサービスにも工夫を凝らす。全国の特定健診受診率は、厚生労働省が掲げる全国目標には程遠いのが現状だ。同市の試みが受診率向上の起爆剤となるか、その取り組みを追った。【坂本朝子】
12月のある晴れた日、コンビニ前の駐車場に健診車が止まり、事前に申し込んでいた近隣住民が次々と受診していった。買い物のついでといった感じで、リラックスした表情の人が多い。
健診内容は、身体計測、血圧測定、尿検査、血液検査、医師による診察で、40から74歳を対象とする特定健診と同じ内容だが、同市民であれば、16から39歳、75歳以上でも受診できる。また、より早くから生活習慣病予防を意識できるよう、16から22歳までは無料、23から39歳までは1000円と若者が受診しやすい体制を整えていた。
受診者からは、「家の近くだから来られた」「日曜日しか無理なので助かった」などの声が聞かれ、普段なかなか受診できなかった人に好評だった。
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