日本医療機能評価機構の産科医療補償制度運営委員会が取りまとめた制度の見直しに関する最終報告書。しかし昨年12月の社会保障審議会医療保険部会で、この報告書の了承は見送られた。どこに問題があったのか。今回は同委員会の委員を務める勝村久司氏(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)に、見直しの方向や最終報告書についての見解、制度の課題などを聞いた。【聞き手・松村秀士】
―今回の制度の見直し方向について、どのようにお考えですか。
十分な統計データがない中で始まったこの制度の根本的なルール設計に関しては、それほど大きな間違いはなかったのだろうと思っています。スタートして5年がたつ中で、補償の対象となる在胎週数や出生体重の範囲拡大や、申請時期の前倒しを求める声が審査をする小児科医らから出てきたので、見直しの議論では、それらの事案を素直に変更し、さらに今後運用していく過程で対象者のデータ数を集めていくという手順が自然な流れだと思っていました。
(残り2657字 / 全3093字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】