中央社会保険医療協議会(中医協)は25日の総会で、2014年度の診療報酬改定で対応するDPC関連の見直しの方向性を固めた。積み残しになっていた「再入院ルール」は、現在の適用範囲を拡大し、「同一診療科の疾患で7日以内」に再入院したら最初の入院と一連とみなすことになった。ただ、化学療法の患者は新ルールの対象外にする。また、DPC対象病院による後発医薬品の使用を評価するため、「機能評価係数Ⅱ」として「後発医薬品係数」を導入する。【兼松昭夫】
中医協総会では当初、「同じ診療科の病気」での再入院に適用を拡大することへの慎重論があった。しかし厚生労働省によると、再入院の大半は最初の入院と関連性が高いとみられるといい、この形にしても問題はないと判断した。同省では、現在の仕組みで入院日数がリセットされている症例の2-3%程度に、新ルールが適用されるとみている。
DPC評価分科会の小山信彌分科会長(東邦大医学部特任教授)がこの日、「算定ルールの見直し」や「機能評価係数Ⅰ・Ⅱの具体化」といったテーマごとに審議結果を報告し、おおむね了承された。
算定ルールの見直しでは、再入院ルールの運用を見直すほか、再入院時に「医療資源を最も投入した病名」が最初の入院と同じなのに、「入院の契機となる病名」が異なる場合に理由の記載を新たに求める。再入院の際に病名を意図的に操作して、入院日数をリセットする不適切な算定を防ぐため。
また、薬剤費などの包括点数を入院初日にまとめて支払う点数の設定方式の適用を、現在の22通りの診断群分類から33に拡大する。高額な抗がん剤などのコストを回収するために入院を長引かせるのを防ごうと、12年度改定で22の診断群分類に試験導入したところ、このうちの20で実際に入院日数が短くなった。
DPC対象病院への診療報酬は入院期間Ⅰ-Ⅲの3段階ごとに設定され、早い段階ほど1日当たりの報酬が多く支払われる仕組み。
この設定方式では、診断群分類の入院期間Ⅰを入院初日のみに設定して薬剤などの費用をここでまとめて支払う一方、入院期間Ⅱ(平均在院日数まで)の点数は入院基本料だけにする。包括部分の診療報酬の大半が入院初日に支払われるため、退院できる患者は早く退院させた方が病院にとって有利になる。入院1件当たりの診療報酬を定額払いにする米国のDRG/PPSに近い形だ。
14年度改定では、在院日数が短縮した20の診断群分類でこの方式を継続するほか、▽全国の症例数が多いなど十分に普及している▽7日以内の入院が一定以上を占める▽化学療法に使う1日当たりの薬剤費が高額-などに該当する13の診断群分類に新たに適用する。
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