中央社会保険医療協議会は4日の総会で、2014年度の診療報酬改定で有床診療所の入院基本料の要件から管理栄養士の配置を外すことを了承した。12年度の報酬改定では、医療機関の入院基本料などの要件に、栄養管理体制の確保が組み入れられたが、有床診では管理栄養士の雇用が進んでいなかった。14年度以降は、有床診の栄養管理体制を評価するために、入院基本料などの外に栄養管理実施加算を復活させるほか、複数の診療所が連携して管理栄養士を配置することも評価する。【佐藤貴彦】 同日の総会で、厚生労働省が提案した。連携による配置の例には、日本栄養士会の「栄養ケア・ステーション」に派遣を依頼したり、複数の診療所が1人の管理栄養士をそれぞれ非常勤雇用したりすることを挙げた。要件を緩和する分、入院基本料などを引き下げるかどうかは、明言していない。
このほか同案によると、急性期医療の後方病床の確保を評価する有床診療所一般病床初期加算を見直す。病院の一般病床の一部や療養病床、有床診の療養病床などの入院基本料の同様の加算と比べ、評価が低いとして、点数や算定上限日数を引き上げる。また、緊急入院を受け入れている有床診を対象に、看護補助者の配置による加算を創設。さらに、地域包括ケアシステムの構築に向けて、急患センターなどでの夜間休日診療や、併設施設での介護事業の実施などの有床診の機能を、新たに評価する。
12年度の報酬改定では、栄養管理実施加算を算定する医療機関が多かったことから、同加算の評価を入院基本料などの中に包括化。管理栄養士を1人以上配置し、医師などと共同で栄養管理の体制を整備したり、特別な栄養管理が必要な患者に栄養管理計画を作成したりすることを要件にした。
有床診の場合、配置する管理栄養士が非常勤でも構わないとした。しかし、中医協の検証部会の調査では、11年度末に同加算の届け出を行っていなかった有床診の7割近くが、12年9月の段階で、管理栄養士を非常勤でも雇用できていなかった =グラフ、クリックで拡大= 。また、管理栄養士がいない有床診の半数以上が、これから確保するめども立っていないと回答していた。
栄養管理実施加算を11年度末の時点で届け出ていなかった医療機関には、13年度末までに限り、管理栄養士を配置しなくても入院基本料などを算定できる経過措置が設けられた。病院の入院基本料をめぐっては、厚労省がこれまでに、14年度の報酬改定後も管理栄養士の常勤雇用を求める案を、中医協の総会で示している。
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