中央社会保険医療協議会(中医協)の長瀬輝諠委員(日本精神科病院協会副会長)は29日、キャリアブレインのインタビューに応じ、精神医療分野に最も必要な施策は、入院患者の社会復帰を支援する「病院外の施設の整備」だと強調した。先月から、日精協初の中医協委員として、2014年度診療報酬改定の議論に加わっている長瀬委員に、精神医療が抱える課題と今後のあるべき姿を聞いた。【聞き手・丸山紀一朗】
-中医協委員となられて1か月ですが、手応えはいかがでしょうか。
診療側委員のメンバーは、精神科医であるわたしのほか、4人の医師が身体的な医療の専門であり、歯科医師と薬剤師もいるので、それぞれの分野をきれいに分担できています。精神医療の一番の問題は、患者自身に病識がないことです。他科の病気では、患者が自ら医療を受けることを望んでくれますが、精神障害者は「わたしは病気ではない」と言うので、その患者を説得して治療を受けてもらうには、ものすごいエネルギーを必要とします。中医協では、この根本的な差異を、皆さんに理解してもらいたいと思っています。
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