中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会が27日開かれ、厚生労働省は、DPC対象病院を退院した患者が「7日以内」に同じ診療科の病気で再入院したら、一連の入院として扱う形を提案した。現在の仕組みでは、DPC対象病院の退院患者が同じ病名で3日以内に再入院したら一連の入院とみなし、入院日数を通算している。患者をいったん退院させることで入院日数をリセットし、診療報酬を高く保つ算定を防ぐためで、今回の提案はこの再入院ルールの運用を厳しくする内容。【兼松昭夫】
ただ、こうした形に見直すことで、退院可能な患者を早く退院させる意欲がそがれないようにするため、退院してから再入院までの「退院期間」は入院日数の通算には含めない=図=。また、化学療法の患者はこのルールの対象外にする。DPC対象病院への診療報酬には化学療法に使う薬剤の費用も包括され、7日以内の再入院を最初の入院と「一連」とみなすことで、薬剤料を適切に還元できないケースが多発する可能性があるという。
同省では、現在の仕組みで入院期間がリセットされている症例の2-3%程度に、新ルールが適用されるとみている。
分科会によるこれまでの審議結果は、中医協総会に年内に最終報告することになっており、引き続き内部での意見の調整を進める。
DPC対象病院への診療報酬は入院期間1-3の3段階ごとに設定され、早い段階ほど1日当たりの報酬が多く支払われる仕組み。入院してから日が浅いほど、医療材料や薬剤など医療資源の使用量が多い実態に配慮した対応だが、同省では、診療報酬の設定が高い入院期間1を維持するために、いったん患者を退院させたり、再入院の際に病名を意図的に操作したりする不適切な算定への対応を課題ととらえている。
実際、現在では退院から3日を過ぎてから再入院が増える傾向にあり、ルールの強化が必要と判断した。
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