昔から、人間と共に暮らしてきた犬。単に飼い主とペットという関係を超え、家族のように愛を注ぐケースも珍しくない。また、その活躍の場は、留守中の家を不審者から守るだけでなく、遭難した登山者の救助や麻薬捜査など、多岐にわたる。医療現場で、患者のために働く犬もいる。【佐藤貴彦】
10月10日の正午すぎ、さいたま市岩槻区にある埼玉県立小児医療センターの構内に、アナウンスが流れた。「本日、『アニマルセラピー』が実施されます。参加するワンちゃんが廊下を通ることがありますが、優しく見守ってください」-。
数分後、飼い主に連れられた20頭の犬が、一列になって現れた。ゴールデン・レトリバーからチワワまで、犬種はさまざまだ。一行が通り過ぎるのを、出入り口付近の小児患者らが、小さな歓声を上げつつ、優しいまなざしで見送った。
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