中央社会保険医療協議会(中医協)は13日の総会で、19日に薬価収載予定だった新医薬品のうち、武田薬品工業の1成分1品目を除く、13成分23品目の収載を了承した。収載が見送られたのは、肥満症治療薬セチリスタット(商品名オブリーン錠120mg)。厚生労働省によると、新有効成分含有医薬品の収載が見送られるのは極めてまれ。同省は、同薬の薬価収載について改めて議論するが、収載予定の19日までに間に合うかどうかは「予断を許さない」としている。【丸山紀一朗】
長瀬委員長はまた、同組織の中の議論で、食事療法と運動療法を実施しても体重減少が見られない、2型糖尿病と脂質異常症を合併する肥満症患者を対象とした臨床試験において、本来示すべき「心血管疾患などの重篤な疾患に至るリスクの低減」が明らかにされなかったため、革新性や有効性が高いとは言えないと結論付けたと、これまでの経緯を説明した。
長瀬委員長は、「この薬を使った場合、患者の体重が2%弱下がり、有意差もあったことをどのように解釈するか。今回は現行ルールで最大限の厳しい評価をした」としたが、複数の委員から、「効果があるのかよく分からない薬を収載することに疑問を感じる」「収載する必要はないのではないか」などの声が相次いだ。これらの意見を受け、厚労省は、「(中医協で収載をしないという判断は)過去にないと思うが、それもありうる」として、改めて同薬について総会で議論することを提案した。
このほか、13日に薬価収載が承認されたのは、内服薬3成分5品目、注射薬5成分11品目、外用薬5成分7品目だった。
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