厚生労働省が6日の中央社会保険医療協議会で示した医療経済実態調査(医療実調)報告を受けて、日本医師会の鈴木邦彦常任理事は同日の記者会見で、医療法人の経営は改善しておらず、次期診療報酬改定での中小病院や有床診療所の待遇の改善が求められているとの考えを示した。【松村秀士】
12年度の職員1人当たりの平均給料年度額(一般病院)の伸び率は、医療法人で医師が前年度比2.8%増(1506万7637円)と最も大きく、次いで歯科医師が同1.9%増(911万4221円)、院長が同1.7%増(3055万1052円)の順だった。同様に、医療法人が運営する一般診療所での伸び率は、薬剤師が同5.1%増(694万2518円)で最も大きく、医師が同1.6%増(1315万7145円)でこれに続いた。一方で、院長は同1.1%減(2778万3258円)と、前年度に比べて給料額が減った。これについて鈴木常任理事は、「診療所では、院長の給料を減らしてでも職員の給料を上げて、何とか職員を確保していることがうかがえる」と分析している。
一般病院の病床規模別の医業収益の伸び率は、500床以上が最も高く前年度比3.6%増、次いで300-499床が同2.6%増。一方、299床以下は1%にも満たなかった。鈴木常任理事は、「300床以上の大病院での医業収益の伸びは依然として高い」とした上で、収益改善があまり見られない中小病院や有床診療所に対して「次期診療報酬改定での待遇改善が必要」との見解を示した。
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