厚生労働省が6日、中央社会保険医療協議会に報告した「医療経済実態調査」の結果によると、一般病院全体(介護収益2%未満)の収支の赤字幅は、2012年度には0.4%となり、11年度の0.9%から0.5ポイント改善した。これに対し精神科病院では、収支が均衡していた11年度から12年度には0.6%の赤字になった。また、一般診療所では13.7%の黒字で、黒字幅は11年度から0.6ポイント拡大した。【兼松昭夫】
また、今回の調査結果を受けて中医協では、診療報酬改定に対する見解を、診療側と支払側がそれぞれ11月下旬をめどに提出する。
医療経済実態調査は診療報酬改定の前の年に実施され、今回は11、12年度それぞれの通年での収支状況を比べた。その結果、介護収益が2%未満の一般病院のうち、「医療法人」の収支は11年度が4.3%、12年度が4.4%のいずれも黒字。国立高度医療研究センターなどを含む「国立」では、12年度は0.1%の赤字で、赤字幅は11年度の0.5%から改善した。都道府県など「公立」の赤字幅も6.5%から5.8%に改善した。
病床規模別に見ると、「50-99床」では12年度は0.5%の黒字で、11年度の0.6%黒字からやや悪化。「200-299床」でも、赤字幅が1.9%から2.4%に拡大した。しかし、これら以外はいずれも改善し、「500床以上」では赤字幅が1.3%から0.2%まで縮小した。
また、一般病棟入院基本料のうち、看護配置が手厚い「7対1」の算定病院では12年度が0.4%の赤字(11年度は1.6%の赤字)で、「10対1」でも1.1%の赤字(同1.0%の赤字)。これに対して、「13対1」では3.3%の黒字(同4.6%の黒字)だった。
一方、一般診療所のうち「有床診療所」では、12年度には8.7%の黒字となり、9.0%の黒字だった11年度から悪化。「無床診療所」では、13.9%から14.8%に黒字幅が拡大した。
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