日本慢性期医療協会・慢性期DPCワーキンググループの美原盤委員長(美原記念病院長)は25日、HOSPEX Japan 2013のセミナーで講演し、DPC対象病院の大半が該当する現在の「DPC病院3群」を、中小規模で急性期メーンの専門病院と地域の中核病院、中小病院の3グループに分けるべきだと主張した。このうち専門病院と中核病院のグループを引き続きDPCの対象にし、中小病院は同協会が提唱する「長期急性期病床」に位置付け「慢性期DPC」を適用する構想。【兼松昭夫】
DPC対象病院による平均在院日数の短縮を評価する「効率性係数」と、複雑な病態の患者の受け入れを評価する「複雑性係数」の値が、同じ3群に該当する病院の間でどれだけ違うかを調査した結果、中小規模の専門病院では両方の値が高い傾向が見られた。これに対し、亜急性期的な機能もカバーする中小規模の総合病院はどちらも低い傾向で、大規模総合病院はこれらの中間だった。
これを受けて美原氏はセミナーで、「いわゆる専門病院と中核病院、サブアキュートやポストアキュートを診ている(中小規模の)急性期病院とではやはり視点が違う」と述べた。
DPC病院群のうち、1群は大学病院の本院80病院、2群は1群に準じる90病院で、3群に該当するのはこれら以外の1326病院(4月現在)。将来的には、1群と2群が「高度急性期」の部分を、3群のうち専門病院と中核病院が「急性期」をそれぞれカバーする一方、3群のうちの中小病院やDPCに移行できない急性期病院、医療密度の高い慢性期病院は「回復期」を担う長期急性期病床に位置付けるのが、同ワーキンググループの構想。長期急性期病床を、慢性期DPCの対象にすることも想定している。
慢性期DPCは、病状が安定した慢性期の入院患者に、良質な医療を効率的に提供できるようにするため、同協会が18年度の創設を提唱している。美原氏は、慢性期DPCについて、現在のDPCの診断群分類によって点数を設定したり、入院早期の評価を手厚くしたりする仕組みにすべきだとの考えを示した。
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