東京都済生会中央病院は、専用の病床を設けてホームレス患者の病気を治療し、元の健康な生活に戻す取り組みを行っている。かつて、専用病床の責任者を務めていた経験もある同院の高木誠院長に、生活困窮者支援事業や職員への影響、今後の取り組みなどを聞いた。【松村秀士】
―ホームレス医療支援事業をどのように受け止めていますか。
済生会の理念である「済生の精神」からすれば、分け隔てなく生活に困窮している人を支援することは当院のミッションです。その中でも、特別に専用病床を設けてホームレスの人たちを受け入れるのは、「済生の精神」を最も具現化していると考えています。この事業は当院の誇りであり、当院の特長を表す上で、重要な部分になっているのは間違いありません。
専用病床での勤務は、若い研修医や看護師にとって、とても良い学びの機会となっています。例えば、医学部の卒後6年目ぐらいは最も総合診療力を持っており、その時期に専用病床でチーフレジデントを務めることは、大変勉強になります。一生の誇りになるでしょう。
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