虫歯治療のときに歯を削るタービンから聞こえてくる「キュイーン」という音が嫌で、治療を苦痛と感じる人は少なくないだろう。歯科医院過剰の時代、技術だけでなく患者をいかに満足させ、再び来院してもらえるかが歯科医の大きな課題となっており、独自の工夫で患者に「おもてなし」をする歯科医院が増えてきている。そうした中、治療時のあの不快な音を軽減することに成功している歯科医院があるいう。早速、取材してみた。【松村秀士】
都営大江戸線の清澄白河駅から徒歩で約20分の距離にあるハーツデンタルクリニック。午後7時半で辺りが暗い中、ピンク色を基調に、人気キャラクターが描かれた外観がひと際目立つ。同院は、歯科医院の経営コンサルティングなどを行う株式会社デンタル・マーケティング(寶谷光教代表取締役)がプロデュースする歯科医院で2012年1月にオープンした。現在は小児歯科や矯正歯科、歯科口腔外科のほか、審美歯科やインプラントの診療も行っている。
興味津々で中に入ってみると、院内にも人気キャラクターのイラストがいたるところにある。同院の松本憲夫院長は、「怖いという歯医者のイメージを払しょくさせたいという思いから、子どもも喜んで来てもらえるような外観や内装にした」と語る。患者の中心は子どもや若い女性と思ったが、意外にも年配の男性も多く来院する。
その理由について松本院長は、「良き話し相手になっていることや、義歯や審美歯科に力を入れているからではないか」と分析する。サービスでも患者を引き付けているようだ。時には人気キャラクターを目当てに、遠くからはるばる治療を受ける人もいるという。
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