国際的な医療機能評価機関であるJCI(Joint Commission International)や日本医療教育財団の外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)の認証を取得した施設が、9月に京都市内で開催された第51回日本医療・病院管理学会学術総会で、取得までの経緯や、取得後に施設がどのように変わったかなどについて発表した。演者らは、職員の意識向上、海外の提携先病院との円滑なコミュニケーションなど、さまざまな副次的効果があったことを明らかにした。【坂本朝子】
同院は、取得までの準備に約2年半を要した。その背景には、模擬審査での指摘項目が多く、動線の改修工事などが必要で、本審査を先送りせざるを得なかったことがあった。また、熊崎氏は、JCIの基準書の理解や、仕組みづくりに時間を取られ、審査までに周知や教育の徹底ができなかった、と当時を振り返った。
そして、JCIは3年ごとに基準書が更新され、そのたびにハードルが少しずつ高くなっていると説明。既に発表されている来年4月から適用の第5版では、品質改善や患者安全、組織のガバナンスなどの項目が強化されることから、「今後も認証を更新していくため、JCIが求めることに合わせ、改善の仕組みづくりを進め、良くしていきたい」と述べた。
また、熊崎氏は、海外からの問い合わせが増えただけでなく、思わぬ効果もあったとした。同院が進めている中国でのリハビリテーション事業で、中国のパートナー病院もJCIの認証を取得していたため、「異文化同士では話がなかなか進まないのが通常だが、JCIに基づいていろんなものを決めていくことができた」として、JCIの認証がインバウンドだけでなく、アウトバウンドにも役立つとの考えを示した。
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