中央社会保険医療協議会は16日の総会で、DPC評価分科会からの中間報告を了承した。現在は6通りある機能評価係数2のうち、データ提出係数のベースとなる「データ提出指数」の評価を、副傷病名を記載しなかったり、記載が著しく少なかったりする場合に新たに減点するなどの内容。また、DPC対象病院の9割以上が該当する「DPC病院3群」の細分化は見送ることにした。
中間報告は、機能評価係数2やDPC病院1-3群にそれぞれ設定する「基礎係数」のほか、算定ルールの見直しをめぐる検討結果をまとめたもの。分科会では引き続きこれらのテーマを議論し、最終的な方向性を12月ごろ中医協総会に報告する。
DPC病院3群の細分化を来年度の診療報酬改定で実施しないことも正式に決めた。DPC対象病院の基本的な診療機能を評価する基礎係数はDPC病院1-3群ごとに設定され、現在の値はそれぞれ1群が1.1565、2群が1.0832、3群が1.0418。このうち3群には、全部で1496あるDPC対象病院のうち(4月現在)、1326病院が該当する。
中小病院や専門病院、地域の中核病院などさまざまなタイプが含まれるため、このグループを細分化し、より実態に合った評価にすべきだという意見が分科会内にあった。しかし、例えば同じ専門病院という枠で見ても、脳神経疾患や整形外科など守備範囲が大きく異なり、統一の基準で評価するのは難しいと判断した。
一方、「DPC病院2群」については、全部で4つの実績要件のうち、研修医の受け入れ(医師研修の実施)に対する評価方法を見直す。現在は、基幹型臨床研修病院だけでなく協力型臨床研修病院としての受け入れ実績も含めて評価しているが、見直し後は基幹型のみを評価する。協力型としての受け入れ人数は変動が激しく、正確な把握が難しいため。
同省保険局の佐々木健・医療課企画官は総会で、こうした形に切り替えた場合の影響について、「前回の報酬改定の実績で推計すると、2群でなくなる病院が1つ出る」と説明した。DPC病院2群に入るのは、研修医の受け入れなど4要件のすべてで大学病院本院並みの実績がある病院で、現在は自治体立など90病院。【兼松昭夫】
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