中央社会保険医療協議会の「入院医療等の調査・評価分科会」が9月30日に開いた会合で厚生労働省は、昨年度の診療報酬改定で7対1入院基本料の要件をクリアできなくなった病院への経過措置を予定通り来年3月末で終了させることを提案し、了承された。中医協総会に近く報告する。分科会が実施した調査で、経過措置型の7対1からほかの入院基本料への切り替えが進んでいるほか、経過措置型の病院では7対1に比べて緊急入院受け入れが少ないことなどが分かっており、延長は不要と判断した。
同省は、正式な最終取りまとめを月内には固めたい考えだ。来年度の改定に向けた入院医療をめぐる議論の舞台はそれ以降、中医協総会に移る。
7対1を算定するための要件の厳格化は、昨年度の前回改定でも焦点になり、▽平均在院日数を「18日以内」(従来は19日以内)に短縮▽重症度・看護必要度の基準を満たす重症患者の割合を「15%以上」(同10%以上)に引き上げ-などの変更が行われた。
現在は、これらの要件をクリアしないと7対1を原則算定できないが、10対1入院基本料の基準を満たして届け出れば、経過措置として来年3月末までは従来の算定が認められる。
分科会の調べによると、昨年4月には、一般病院や特定機能病院など197病院が経過措置型の算定を届け出ていた。このうち、「届け出あり」と回答した132病院について分科会が調べた結果、ほかの入院基本料への切り替えが進み、今年6月には80病院にまで減少したことが分かった。
また、同分科会による昨年度の調査では、1病院当たりの緊急入院の受け入れ件数は、経過措置型を除く7対1(63病院)の192人に対し、経過措置型(5病院)では118人と少なかった。手術や全身麻酔、腹腔鏡下手術などの件数も7対1の方が軒並み多く、厚労省では経過措置型の届け出病院について、「複雑な病態を持つ患者に対し、高度な医療を提供」しているとは言えないと判断。これらを踏まえて経過措置の終了を提案した。
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