日本医師会(日医)の鈴木邦彦常任理事は、日本薬剤師会(日薬)の学術大会で講演し、医薬分業について、「推進するために診療報酬上のさまざまなインセンティブを付けてきた結果、調剤薬局の経営は明らかに向上したが、医薬分業の成果はあまり明らかではないのではないか」と述べ、今後も推進すべきか検証する必要性を訴えた。歯に衣着せぬ物言いで、薬剤師らにとっては耳の痛い話となった。この学術大会は、22日に大阪市内で開催された。【坂本朝子】
まず、昨年度までの12年間で、医科(病院、診療所)、歯科、保険薬局ごとの医療費や受診延べ日数の推移や伸び率を示し、保険薬局だけが順調に推移していると指摘。また、一施設当たりの医療費の推移を見ても、保険薬局の収入が診療所より高く、昨年度は、診療所で一番収入が高い整形外科をも上回ったと強調した。鈴木常任理事は、「母屋ではおかゆをすすっているのに、離れではすき焼きを食べているという声も聞かれる」と、医師の心情を吐露した。
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