DPC対象病院の入院患者が持参した薬剤の使用実態を把握するため、厚生労働省は、医療現場の関係者からヒアリング調査を実施する方針を固めた。現在のDPC制度では、入院患者の持参薬の使用に関する明確なルールはないが、入院部門の利益を増やすため、外来で処方した薬剤を入院患者に持参させるケースを問題視する声があるという。同省では、来年度の診療報酬改定に合わせて新たなルールを作ることも視野に入れており、調査結果を踏まえて対応を決める。
診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は、「単科病院に専門外の患者さんが来たら、必要な薬剤を置いていないことが十分に考えられる」と柔軟な対応を求めたが、厚労省案への反対意見はなかった。
ヒアリング調査の対象は、DPC対象病院と同準備病院のうち、入院中の内服薬の使用傾向がほかと異なる病院。持参薬の使用割合が高い病院では内服薬の使用が少ないとみられ、同省では、DPCデータの分析やアンケート調査をまず実施。これらの結果を踏まえてピックアップした数病院を、ヒアリング調査の対象として中医協・DPC評価分科会に呼ぶ。
ヒアリング調査ではまた、入院患者全体に占める「救急入院医療」の割合や、後発医薬品の使用実態についても把握。その上で、DPC対象病院による算定ルールの見直しや、後発品使用への評価の仕組みを必要に応じて検討する。
DPC評価分科会では、来年度の報酬改定に向けたDPC関連の検討状況について、最終報告を年末にも取りまとめる。同省は、算定ルール見直しの方向性もこの中に盛り込みたい考えで、ヒアリング調査は早ければ10月中にも実施する。【兼松昭夫】
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