筑波大附属病院の“アートな取り組み”が国内外の注目を集めている。今月3日には、“日本最高峰”とされる院内アート活動や展示を、英国の病院アートコーディネーターや芸術家が見学。翌日には筑波大芸術系の齊藤泰嘉教授や病院職員らがシンポジウムを開催し、日英の専門家が意見を交わした。齊藤教授と芸術系の学生らは、院内アートを「カルチャーズ・オブ・ケア」と定義し、病棟などを舞台に活動を続けている。患者や病院職員を交え、どんなアート活動が院内で展開されているのか―。【新井哉】
半球型の透明なプラスチック製の「甲羅」から、カラフルな蛍光色のフェルト生地の「手足」が伸びる。手のひらの上で、室内ライトの光を反射して虹色に輝く「カメ」は、患者と筑波大芸術系の学生が一緒に作ったアート作品だ。
「アートやデザインの力で病院の空気をおいしくする!」。齊藤教授と学生らの“芸術家集団”は、こうしたコンセプトを掲げ、2005年から同病院を拠点にプロジェクトを展開中だ。入院・外来病棟で患者を交えたワークショップやイベントを開催するなど、患者らの想像力を膨らませ、空間を楽しむ時間の演出に力を注いでいる。
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