中央社会保険医療協議会(中医協)の「入院医療等の調査・評価分科会」は7日、厚生労働省が示した中間取りまとめ案をおおむね了承した。同分科会の中間取りまとめは月内に、中医協の総会で報告され、来年度の診療報酬改定をめぐる議論に反映される。この中で、亜急性期病床が担うべき「在宅への復帰支援」などの3つの役割を明示し、それぞれを評価する要件の設定などを提案する。
亜急性期病床の役割は、「急性期病床からの患者の受入れ」「在宅等にいる患者の緊急時の受入れ」「在宅への復帰支援」の3つだとして、それぞれを評価する要件の設定を求めた。それぞれの要件案に、「重症度・看護必要度」「二次救急病院の指定や在宅療養支援病院の届出」「在宅復帰率」を例示。要件の具体的な検討は、中医協総会に委ねた。
加えて、亜急性期病床を持つ医療機関に、DPCデータの提出を求め、継続的に機能を把握すべきだとした一方で、データ提出が医療機関側の大きな負担になるとの懸念も併記した。
■一般病棟入院基本料の「特定除外制度」廃止など提案
同案は、一般病棟7対1入院基本料の平均在院日数の計算対象の患者について、2点の見直しを提案した。まず、90日を超えて長期入院する特定の病態の患者を、平均在院日数の計算対象から除いたりする現行の「特定除外制度」をなくした場合、7対1入基料の算定医療機関の平均在院日数は22.5日になると試算。制度がある場合と比べ1.5日しか延びないとして、一般病棟入基料の特定除外制度の廃止を訴えた。
さらに、7対1と10対1の入基料を算定する医療機関で、4泊5日以内の短期手術などの症例の患者を除いて平均在院日数を計算したところ、その影響は、除かない場合(12.2日)から0.6日の増にとどまることから、短期入院の患者を計算対象から外すべきだとした。一方で、これらの見直しを行う際に経過措置を求める一部委員の意見も盛り込んだ。
また、重症度・看護必要度の項目で、一般病棟用の評価票のA得点の項目を見直し、「時間尿測定」と「血圧測定」を削除して、「抗悪性腫瘍剤の内服」「麻薬の内服・貼付」など5項目を追加すべきだと主張した。
7対1入基料の新たな要件としては、DPCデータの提出のほか、▽亜急性期病床などへの転棟・転院も含めた在宅復帰率▽短期間の入院中のリハビリテーションなどによるADL(日常生活動作)の低下予防-といった案を示した。【佐藤貴彦】
(残り0字 / 全1127字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】