東日本大震災に被災した地域での需要増などを背景に、病院の建設に必要な資材の価格や作業員の人件費が上昇している。しかも来年4月以降は、現在は5%の消費税率が段階的に10%にまで引き上げられそうで、病院関係者たちは頭を悩ませている。病院建設を取り巻く環境はこれからどう変わるのか?【兼松昭夫】
関東地方で病院や介護施設を運営する医療法人の担当者は昨年夏、設計会社からの突然の電話に言葉を失った。
特別養護老人ホームなど複数の施設を併設する自治体の整備事業の運営者として補助金申請の準備を進めていた矢先、電話では「建設コストが急騰していて、施工業者を見つけられない」と告げられた。設計会社からは、東日本大震災からの復興に伴う被災地での需要増で、建築資材の単価と人件費が値上がりしているという説明だった。
「震災から1年以上たっていたけど、それまでそんな話は出ていなかった。青天のへきれきだった」と、担当者は振り返る。
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