厚生労働省保険局の宇都宮啓医療課長は2日、社会保障審議会医療部会の会合で、来年度の診療報酬改定に向けて同省が検討する一般病棟7対1入院基本料の算定要件の厳格化に関連して、現在は7対1の算定病院で勤務している看護師を、在宅医療にシフトさせる考えを示した。
その上で、来年度の診療報酬改定で7対1の要件が厳しくなり、入院基本料のランクを下げる病院では看護師が余ると見込まれるため、「そういう方(看護師)に在宅医療に回っていただくとか、いろいろ工夫ができると思う」と述べた。
急性期病院を退院する患者の受け皿を整備するため、7対1から亜急性期病床などへの転換を促す考えも示した。
来年度の報酬改定での7対1の要件見直しは、中央社会保険医療協議会の入院医療等の調査・評価分科会が検討を進めている。
同省が7月31日、明らかにした中間取りまとめの素案には、新たな要件として、▽退院して自宅に戻ったり、亜急性期・回復期病棟に転院・退院したりする患者の割合▽DPCデータの提出▽早期リハビリテーションの実施-を加えるほか、長期入院(90日超)患者の「特定除外制度」を廃止する方向性が盛り込まれた。
医療部会は今後、社保審・医療保険部会と並行して来年度報酬改定の基本方針の中身を協議する。
西澤寛俊委員(全日本病院協会長)は意見交換で、消費税率の引き上げに伴う新たな財源を使い、プラス改定にするよう主張。これに対して藤原清明委員(日本経団連経済政策本部長)は、「(社会保障の)充実と重点化・効率化はセットだと思う」と述べ、平均在院日数の一層の短縮などを求めた。【兼松昭夫】
(残り0字 / 全775字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】