中央社会保険医療協議会の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」(分科会長=田中滋・慶大大学院教授)は2日の会合で、消費税率8%引き上げ時の対応について、財源を医科、歯科、調剤ごとの医療費シェアと、それぞれの課税経費率を掛け合わせて按分し、初・再診料や入院料などに上乗せする方針を確認した。厚生労働省は同日、増税で必要になる財源の試算を公表し、診療報酬でプラス1.2%、約5000億円になるとした。
厚労省は案1について、医療費シェアと医療経済実態調査で算出した医科、歯科、調剤ごとの課税経費率を用いて財源を按分。その上で医科診療報酬でも、診療所と病院ごとに医療費シェアと、それぞれの課税経費率で、さらに按分する手順を具体例として示した。医科診療報酬への上乗せ方法としては、診療所には初・再診料、病院には診療所と同一点数となるよう初・再診料を引き上げ、残りの財源を入院料に上乗せする。各入院料にどの程度、上乗せするかについても、入院料ごとの医療費シェアと、課税経費率を考慮する。
厚労省の示した財源の按分方法に、委員から目立った異論はなかったが、白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、「高額投資に伴う負担への配慮は必要で、高額な検査機器を購入することで、(医療機関の)負担が増えることが明らかな場合、検査料を上乗せする対応もあってもいいのではないか」と述べ、案1を基本としながらも、案2も同時に検討すべきとの考えを示した。
また今村聡委員(日本医師会副会長)は、消費増税による医療機関の負担を計算する上で、非課税取引が存在していることなどを理由に、「消費税率」ではなく、「消費者物価への影響」が用いられている点を問題視し、今後は「消費税率」を採用すべきと提案した。【君塚靖】
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