他業種の起業と比べ、リスクが少ないといわれる医科の診療所開業。それでも多くの医師は、数十年をかけて返済する覚悟で開業資金の融資を銀行などに申し込むが、開業した月から黒字を達成し、早期にローンを完済する診療所もあると、船井総合研究所で医科・歯科のコンサルティングを担当する北里淳氏は話す。患者に選ばれる診療所をつくり、経営を早く軌道に乗せるための要点を、北里氏に聞いた。【佐藤貴彦】
「開業を考えた医師が絶対にすべきなのは、自分がどんな診療所をつくりたいかを明確にすることです」-。北里氏が決めておくべきだと指摘するのは、患者数や提供する医療などの将来像だ。ゴールを設定すれば、最終的に必要な診療所の広さが割り出せる。患者増に合わせて診療所を移転したり、土地を買い足したりできればいいが、タイミングよく手ごろな土地が売り出されているとは限らない。必要な広さを最初から確保しておけば、余りの部屋をまずスタッフルームとして使い、患者増とともに待合スペースに変えるといった運用ができるという。
診療所の必要な広さを明確にした後は、開業の場所探しが始まる。北里氏は、ここに患者数を決める大きなポイントがあると言う。「市場性と競合性を分析すれば、どこに開業すべきかを的確に判断できます」。
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