中央社会保険医療協議会のDPC評価分科会が28日開かれ、厚生労働省は、薬剤費などの包括点数を入院初日に支払う仕組みを、来年度の診療報酬改定で拡大することを提案した。高額な抗がん剤のコストを回収するため患者の入院を長引かせるのを防ぐ狙いで、昨年度の報酬改定で一部の診断群分類に試験的に導入したところ、これらの診断群分類の大半で平均在院日数が短縮した。同省では、抗がん剤以外の高額な薬剤や、心臓カテーテル検査など高額な材料を使用する検査に拡大したい考えだ。
分科会では、こうした方向性を中医協総会に報告する。
昨年度の報酬改定で試験導入したのは、診断群分類の入院期間1を入院初日のみに設定して薬剤などの費用をここでまとめて支払う一方、入院期間2(平均在院日数)の点数は入院基本料だけにする仕組み。
包括部分の診療報酬の大半が入院初日に支払われるため、退院できる患者は早く退院させた方が病院にとって有利になる。入院1件当たりの診療報酬を定額払いにする米国のDRG/PPSに近い形だ。
抗がん剤の「パクリタキセル」など高額な薬剤を使用する22の診断群分類に導入した結果、昨年4-9月の平均在院日数は、20の診断群分類で前年同期に比べ短縮した。同省は、昨年度の通年でのデータを見極めた上で、見直しの具体的な方向性を秋以降に提案する。
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