厚生労働省の「先進医療会議」は17日、山口大医学部附属病院が申請した、C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対する「自己骨髄細胞投与療法」を先進医療Bとして了承した。同療法は、肝線維化の改善によるQOL(生活の質)の向上は認められるが、6か月以上の長期予後についての有意差が確認されていないもの。事前評価を担当した福井次矢委員(聖路加国際病院院長)は「ほかに治療法がなく、放っておくと予後が悪い。少しでも可能性があるのならば検証すればよい」と容認を主張。会合では異論がなく、了承された。
ただ、これまでの試験では、投与後6か月以内に肝線維化が改善されるなど「臨床指標」に有意差があっても、長期生存率にはつながっていないのが現状。さらに「Child‐Pughスコアの1点以上の改善」という主要評価項目について、肝性脳症の程度や腹水の量などで、評価者の主観が入りやすいという問題点も指摘されている。
福井委員は、ほかの治療法がない現状をかんがみて、「先進医療Bとすべき」とした上で、「将来的に説得力のある評価をしてもらえれば、保険収載もスムーズになるだろう」と付け加えた。別の委員も福井委員の発言に同調、全会一致で先進医療Bとして了承した。
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