私立大附属病院本院の職員を対象としたアンケートで、過去1年間に院内暴力を受けた人の割合が4割を超えるなど、病院職員と患者の間で起こるトラブルは少なくない。このストレスが職員の離職につながる恐れがあるため、医療機関は、患者との「コミュニケーション術」の院内研修などに力を入れている。【佐藤貴彦】
厚生中央病院(東京都目黒区)で職員研修に取り組む荒神裕之院長補佐は、全国で「医療メディエーター」の養成研修の講師も務めている。医療メディエーターの役割は、医療者と患者・家族とが対立した際、第三者として双方の対話を促すことだが、院内研修などで医療者自身にその考え方を身に付けさせれば、対立を未然に防ぐ効果も期待できると、荒神氏は指摘する。
「はっけよい、残った」-。院内研修は、受講者同士の指相撲で始まる。「1分間でなるべく多く勝ってください」という荒神氏の指示で、受講者は戸惑いながらも、ひざを突き合わせて指相撲に取り組んだ。
1分間の指相撲の後、荒神氏は、患者とのコミュニケーションと、指相撲との関係を説明した。
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