東日本大震災で地震や津波、火災といった複合災害の惨状を目の当たりにした病院の設置者や経営者らが、現在の防災対策に危機感を抱き、独自の試みで「災害に強い病院」を目指す動きが加速している。昭和大病院(東京都品川区、有賀徹病院長)は、専門家やメーカーと共同で新型消火ノズルを開発。また、新病院の建設計画を見直して津波対策を追加し、非常用発電機を海抜20メートル近くの高所に設置するなど“原発並み”の防災対策を講じる病院も出てきた。防災対策に取り組む医療機関のトレンドを探った。【新井哉】
「患者を守るためには、初期消火は非常に重要。しかし、防災訓練そのものが、昔から学芸会のようになっている。例えば、『火事だ』と聞いた時に、警報を鳴らすために、警報機のガラスのボタンを押したことがない。どれくらいの力で押したらいいのか分からないのが実情。もう少し現実的な訓練にならないかと考えた時、見つけたのがこの消火ノズルだった」
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