首都圏で病院が減少している。精神科、結核以外の一般病院は1999年から2011年にかけて、東京都内で40近い病院がなくなり、周辺の埼玉、千葉、神奈川各県でも軒並み減少している。姿を消しているのは、病床数200床未満の中小病院が中心。これらの地域では、高齢化が急速に進み、医療ニーズが大幅に増えると見込まれるだけに、十分な医療体制をいつまで維持できるか、不安の声が広がっている。中小病院に活路はあるのか-。【兼松昭夫】
病院数の減少が止まらない。国の「医療施設調査」によると、11年の全国の一般病院数は1999年の8222病院から694減り、7528病院になった。東京では、この12年間で628病院のうち36病院がなくなった。
特に、200床未満の中小病院の減少ぶりが目立つ。東京に限ると、99年の462病院から、2011年には430病院と、32の減。許可病床を返上し、診療所に移行するケースも多い。埼玉、千葉、神奈川各県でも同様の傾向で、中でも埼玉と神奈川では1割を超える中小病院が消滅した= 表 =。
原因は何か。東京都江東区内で「寿康会病院」(49床)を運営する医療法人財団寿康会の猪口雄二理事長は、06年度に実施された診療報酬改定が転機になったとみている。実際、同年から翌07年にかけて、都内では50床未満の病院が一気に11減った。
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