中央社会保険医療協議会(中医協)が入院、外来、在宅医療をめぐる「包括的な議論」を一巡させ、2014年度の診療報酬改定に向けた論点が少しずつ見え始めている。現時点で浮上しているのは、外来診療の機能分化や急性期病院の在院日数短縮、在宅医療サービスの量的確保と質の担保など―。社会保障・税一体改革をにらんだ2回目の報酬改定の焦点は? これまでの議論を整理した。【兼松昭夫】
■大病院の一般外来は一層縮小
3つの分野のうち外来の見直しは、12年度報酬改定の議論でもテーマになった。その結果、大規模病院(特定機能病院や500床以上の病院)の一般外来を縮小させるため、紹介状なしにこれらの病院を受診した場合には、初診料や外来診療料を引き下げ、差額分の患者への請求を認めるなどの措置を取った。診療所などとの機能分化を推進し、大病院の医師の負担を和らげるのが狙いだった。
中医協の附帯意見では、入院や外来医療に関して、「機能分化の推進や適正化について引き続き検討を行う」こととされており、次の報酬改定に向けても対応を話し合う。
中医協は1月23日の総会で、外来診療をめぐり1回目の意見交換を行った。この日のポイントは、同省が提示したイメージ図だ。 介護保険施設なども巻き込んで相互連携し、外来ニーズに応えるという内容で、患者がアクセスしやすい中小病院や診療所では、「全人的かつ継続的な診療」を、地域の拠点病院では「専門的な診療」をそれぞれ提供する形が示された。
中小病院や診療所が担うのは、
・複数の慢性疾患を持つ患者への対応
・必要なときにいつでも連絡が取れ、適切な指示を出せる体制づくり
・専門医や介護保険施設などへの適切な紹介
・継続的な服薬・健康管理
など。
これに対して拠点病院の課題には、医師による外来業務の負担軽減や、専門外来の確保、一般外来の縮小などを列挙した。
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