中央社会保険医療協議会の費用対効果評価専門部会(部会長=関原健夫・日本対がん協会常務理事)は10日、医薬品や医療機器、医療技術を費用対効果の観点で評価する仕組みについて、諸外国による取り組み状況を専門家から聞いた。この日は欧州などの6か国の状況が紹介されたが、医薬品だけでなく医療機器や医療技術にも費用対効果の評価を導入しているのは2か国のみで、意見交換では、日本でもまず医薬品に限定導入すべきといった意見が上がった。
この日、参考人として出席した福田敬・国立保健医療科学院上席主任研究官は、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、オランダ、スウェーデンの状況を紹介した。
福田参考人によると、諸外国の費用対効果の評価は、対象となる医療技術を使うと、別の技術に比べてどのくらいの費用が掛かり、健康状態がどのくらい改善されるのかが根拠になる。そこで、一定の効果を出すのに必要な費用(ICER)で比べることが一般的で、医薬品に関しては、6か国すべてで費用対効果を評価しているという。
ただ、医薬品以外の評価の対象は国によってまちまちで、医療機器や医療者らによる技術を評価しているのは、償還制度の財源を税金で賄っている英国と豪州のみ。社会保険制度を採用しているフランス、ドイツ、オランダではいずれも採用しておらず、税金方式のスウェーデンでも不採用という。
鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)は、「わが国でも、社会保険制度の国の在り方が参考になる」と指摘。まず医薬品に限定して導入すべきだと主張した。【兼松昭夫】
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