DPC対象病院による診断群分類の適切なコーディングを促すため、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会では、医療現場でのコーディングの現状を年度内にも調査する。適切なコーディングに取り組んでいる病院からのヒアリングと、「心不全」などの選択が極端に多い病院へのアンケートの2段階で実施。2014年度に予定されている次の診療報酬改定に向け、調査結果を適切なコーディングの推進策の検討材料にする。
適切なコーディングの推進など「算定ルール等の見直し」は、次の診療報酬改定に向けたDPC関連の検討課題の一つ。
診断群分類のコーディングは、DPC対象病院による診療報酬算定の根拠となるが、厚生労働省によると、コーディングの質には医療機関ごとにばらつきがあるほか、「不適切なコーディング」が疑われるケースもある。現在はコーディングに関する指針はなく、同省は現場向けの「DPCコーディングマニュアル案」の具体化を進めている。正式なマニュアルを、早ければ次の改定に合わせて導入したい考えだ。
20日の会合で同省が提示した調査の実施案によると、ヒアリング調査の対象は、適切なコーディングに取り組む大学病院や専門病院、ケアミックス病院などで、病院団体などに推薦を依頼。これらの病院によるコーディングの実際の手順や、マニュアル案への意見などを聞く。
一方、アンケート調査の対象はコーディングのうち、▽心不全▽呼吸不全(その他)▽手術・処置等の合併症▽播種性血管内凝固症候群▽症状や徴候などがほかのコードに該当しない「Rコード」―の5項目を選択するケースが、それぞれほかと比べて著しく多い病院。項目によって10-62病院をピックアップし、調査票とマニュアル案を送付。コーディングの選択がほかの病院と異なった理由について回答を求めるほか、マニュアル案への意見も聞く。医療機関名は公表しない。【兼松昭夫】
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