中央社会保険医療協議会の総会は13日、パーキンソン病やレストレスレッグス症候群の治療薬としては初の貼付剤となる、大塚製薬のニュープロパッチや、ブリストル・マイヤーズの経口抗凝固薬エリキュース錠など、17成分25品目の薬価収載(22日付)を了承した。
パーキンソン病の場合、通常成人には1日1回4.5mg(1枚416.50円)/日から開始し、経過を観察しながら1週間ごとに増量して維持量を定める。レストレスレッグス症候群では、通常、成人には1日1回2.25mg(1枚270.30円)/日から始め、経過を観察しながら1週間以上の間隔を空けて増量し、維持量を決める。
メーカーが予想するピーク時売上高は65億円。
エリキュースは、5mg1錠265.20円など。バイエル薬品のイグザレルト錠の1日薬価に合わせて算出した。通常、成人には1回5mgを1日2回経口投与。年齢や体重、腎機能に応じて、1回2.5mg(1錠144.90円)を1日2回投与に減量。ピーク時売上高予測は340億円。
ファイザーの過活動膀胱治療薬トビエース錠の算定薬価は、4mg1錠190.90円など。薬理作用類似薬が3つ以上あり、補正加算に該当しないことなどから、過去10年間に収載されたすべての類似薬の平均1日薬価に合わせて算定した。
通常成人には4mgを1日1回経口投与。症状に応じて1日1回8mg(1錠286.40円)まで増量できる。ピーク時売上高予想は120億円。
サノフィのアレルギー性鼻炎治療薬ディレグラ配合錠の算定薬価は、1錠62.00円。同薬は、サノフィのアレグラ錠に、血管を収縮させ、鼻閉症状を改善する「塩酸プソイドエフェドリン」を配合したもの。同薬はアレグラを最類似薬とした上で、鼻閉症状に対する統計学的な優越性が検証されていることなどから、有用性加算5%を適用して算出した。
通常、成人および12歳以上の小児には、1回2錠を1日2回、朝夕の空腹時に経口投与する。ピーク時売上高予想は150億円。
これまで登場した配合剤の多くが、医療用医薬品の有効成分同士が配合されているケースが多かったのに対し、ディレグラは、医療用医薬品で用いられている有効成分に、一般用医薬品の有効成分を配合している。このため、委員からは「こういう形の配合錠をどう取り扱うかルールがないのが現状ではないか」として、新たなルールの検討が必要との声が上がった。
このほかの製品の薬価は以下の通り。
▽アルフレッサファーマのハンチントン病に伴う舞踏運動の治療薬コレアジン錠(12.5mg1錠385.40円)▽フェリング・ファーマの中枢性尿崩症治療薬ミニリンメルトOD錠(60μg錠117.30円)▽ゼリア新薬の低リン血症治療薬ホスリボン配合顆粒(100mg1包68.70円)▽大塚製薬のカルニチン欠乏症治療薬エルカルチンFF内用液(10%1mL70.40円)▽味の素製薬/武田薬品工業の骨粗鬆症治療薬アクトネル錠/ベネット錠(75mg1錠2945.50円)▽ノバルティスファーマの結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫の治療薬アフィニトール分散錠(3mg1錠7867.70円など)▽ファイザーの腸管アメーバ症治療薬アメパロモカプセル(250mg1カプセル431.90円)▽グラクソ・スミスクラインのマラリア治療薬マラロン配合錠(1錠484.30円)▽エーザイの痙性斜頸治療薬ナーブロック筋注(2500単位0.5mL1瓶2万8902円)▽ノボノルディスクファーマの糖尿病治療薬トレシーバ注ペンフィル/同フレックスタッチ(300単位1筒1796円/300単位1キット2546円)▽アストラゼネカの糖尿病治療薬ビデュリオン皮下注用(2mg1キット3486円)▽大塚製薬のカルニチン欠乏症治療薬エルカルチンFF静注(1000mg5mL1管934円)▽ユーシービージャパンの関節リウマチ治療薬シムジア皮下注(200mg1mL1筒7万1297円)【津川一馬】
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