診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会(分科会長=小山信彌・東邦大医学部教授)は、DPC対象病院が診療に関する情報を公開する際の共通フォーマットをめぐる議論を開始した。診療科ごとの症例数の上位3疾患など7項目を盛り込んだ素案を、国立病院機構の「臨床評価指標」の策定にも携わる藤森研司委員(北大病院地域医療指導医支援センター長)が提示。今後は、この素案を基に中身の具体化を進める。
藤森委員が提示した公開指標の素案では、DPC対象病院が厚労省に提出するDPCデータで集計可能なものをピックアップした。診療科別の主な疾患(症例数トップ3)のほかに掲げたのは、▽年齢階級別の退院患者数▽5大がん(肺がん、大腸がん、胃がん、肝がん、乳がん)の病期(ステージ)別の症例数▽肺炎の重症度別症例数▽脳梗塞の症例数▽診療科別の主な手術(症例数トップ3)の症例数▽合併症の発生率-の各項目。
診療科別の主な疾患では、自病院を退院した患者の平均在院日数や全国平均との比較、転院率、平均年齢などを書き込む。また、単純な数値だけでなく、自病院の特徴(優れた点や課題)や前年度との比較などを、患者目線の「解説」として項目ごとに添える。
DPC対象病院による診療情報の公開を機能評価係数2に追加するかどうかは、同分科会が来年秋ごろまでに考え方を固め、中央社会保険医療協議会が最終判断する。
三上裕司委員(日本医師会常任理事)は7日の会合で、「DPC対象病院だけに限られる係数に(診療情報の公開の評価を)入れることには、かなり無理がある」などと述べた。また、厚労省の担当者は機能評価係数2について、「これ(診療情報の公開)以外に新規に入る可能性もある。その点については、改めて議論していただきたい」と述べた。同省によると、来年4月以降に議論を本格化させるという。【兼松昭夫】
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