中央社会保険医療協議会(会長=森田朗・学習院大教授)は28日の総会で、医療機器の購入など「高額な設備投資」をする際、医療機関が消費税をどれだけ負担しているかを把握するための調査の方法を議論したが、病院による設備投資の状況に関する項目で、どこまでのデータを集めるかをめぐり意見が対立し、了承を見送った。回答する病院側の負担を軽くするため、調査の原案では、病床数が300床以上の場合には「原則として500万円以上の機器」のみを記載するとしていたが、実態を正確に把握するにはすべての設備投資のデータを集めるべきだとの声が診療側にあり、意見がまとまらなかった。
原案によると、調査は全国の病院や一般診療所、歯科診療所、保険薬局から抽出したそれぞれ約1000施設、合わせて約4000施設を対象に実施。直近に終了した事業年度の固定資産台帳をエクセルデータにして提出するよう求め、医療機器や医療情報システムなど過去5年間の固定資産の取得状況を、このデータを基に把握する。
病院については、病床規模が300床未満の場合には購入したすべての機器について記載を求める一方で、回答に伴う負担が大きくなり過ぎて回収率が下がるのを避けるため、300床以上なら原則500万円以上の設備投資のみに記載を限定した。
これに対して診療側の万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)は、「どの病院も決算報告しているので、台帳については負担なく調査に応じられる」と述べ、すべての設備投資のデータを集めるよう訴えた。
支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)が「設備投資全体を調べるのではなく、高額投資にどう対応するかを検討するための調査だ」と反論すると、万代委員は、すべてのデータを集めた上で、どこからが「高額な設備投資」なのかを判断すべきだと主張した。
総会では、分科会の委員を兼任する委員同士が意見を対立させる場面もあり、森田会長は「分科会に入っている方が、ここ(総会)で異なる意見を述べるのなら、何のために分科会をやっているのかということになりかねない」などと苦言を呈した。【兼松昭夫】
(残り0字 / 全1045字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】