厚生労働省保険局の井上肇・医療課企画官は10日、中央社会保険医療協議会が、今後の診療報酬改定に向けて部会を設置し、医薬品や医療材料などを費用対効果の視点で評価する仕組みの導入を検討していることを引き合いに出し、医師や看護師の手技への評価についても、費用対効果の視点を取り入れる必要があるとの考えを示した。東京都内で開かれた内科系学会社会保険連合、外科系学会社会保険委員会連合、看護系学会等社会保険連合でつくる三保連の合同シンポジウムで発言した。
また、「腎機能が低下した患者の透析導入を1年間遅らせることができれば、その分の医療費と、透析医療を受ける患者側の苦痛を取り除くことができる。そうしたところへの内科医や看護師のアプローチには、金額に直せば大変大きな価値がある」と述べ、費用対効果の視点の導入で、現在は評価が低い手技に高い点数が付く可能性もあると強調。虫垂炎や白内障の手術も具体例に挙げた。一方で、現行の基準で高く評価されている、難易度が高く長時間に及ぶ手術の中には、術後の効果が少ないものが含まれている可能性もあることを指摘した。【佐藤貴彦】
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