全国保険医団体連合会(保団連)は8日、薬価を算定する仕組みについて、透明性の確保などを求める要望書を三井辨雄厚生労働相あてに提出した。同日の記者会見で、保団連の小藪幹夫氏(政策部事務局小委員)は「薬価算定制度は多岐かつ詳細に定められており、非常に公正なルールで運用されているように見えるが、さまざまな不合理、矛盾がある」などと指摘。「医療保険財政の改善が大きな政策課題になっている中、不明瞭な制度の運用で必要以上に貴重な医療費が浪費され、結果的に患者に不利益を与えることのないよう要望した」と述べた。
会見で小藪氏は、薬価算定組織が算定案を策定するプロセスの議事録がないことを問題視。「国民が、算定された薬価が妥当かどうかを検証できないことになる」と強調した。
また小藪氏は、同様の効果を持つ薬が既に存在する場合に、その類似薬の1日薬価に合わせて新薬の薬価を決める「類似薬効比較方式」で、類似薬と比較して有用性などが認められた場合に適用される補正加算についても言及。「加算率が2000年度から急激に上がっているほか、(加算率に幅がある中で)実際の加算率をどうするか、類似薬をどう選定するかについて、厚労省の審査担当者の裁量的な判断が介在する余地が非常に大きい」などと指摘した。【津川一馬】
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