中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長=西村万里子・明治学院大教授)は31日の会合で、長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)と後発品の価格差を容認するとの認識で一致した。
また、特許期間終了後も、開発リスクを補うため、一定程度の長期収載品からの利益確保も必要などとした上で、「長期収載品と後発品の薬価には、適切な価格差の存在が必要ではないか」と述べた。
これについて意見交換では、三浦洋嗣委員(日本薬剤師会常務理事)が「価格差があることで、長期収載品と後発品が併存可能と思っている。産業政策、医療費政策を鑑みると価格差が存在するのはやむを得ない」などと述べたほか、万代恭嗣委員(日本病院会常任理事)も「基本的には一定程度の薬価差が存在してもいいのではないか」とし、反対意見は出なかった。
■長期収載品の薬価で新ルールを求める意見も
一方、長期収載品の薬価そのものについては、設定の際の新ルールの検討を求める声が上がった。
白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)は、特許が切れた後の最初の薬価改定時に、市場実勢価格に基づく算定値から、さらに平均5%程度追加で引き下げる「特例引き下げ」について、「もう少し下げてもいいのではないか」と指摘。さらに、特許が切れて一定の期間が経過した長期収載品の薬価の設定方法も、見直すべきとした。
三浦委員もこれに賛同し、「本来、後発品が収載された後は一定程度、後発品に置き換えられることがいい方向だと考えている」と述べた上で、「後発品への置き換えについて、目標値を設定し、それに達しない長期収載品については特例的な引き下げを行う方向にしてはどうか」と提案した。【津川一馬】
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