日本医師会の藤川謙二常任理事は26日の記者会見で、有床診療所の入院基本料のあり方について、中央社会保険医療協議会（中医協）に新たな検討の場を設けるよう厚生労働省に要望する考えを示した。

　日医の「有床診療所に関する検討委員会」が横倉義武会長に提出した要望書を受けたもので、要望書では、有床診療所をめぐる喫緊の課題を「入院機能の維持を困難にさせる著しく低い有床診療所の入院基本料」と指摘。病院の入院基本料については中医協の「入院医療等の調査・評価分科会」で検討が進められている一方で、有床診療所については2012年度診療報酬改定の附帯意見で言及されていないことから、「次回改定で抜本的な改善がなされないことを危惧する」と強調。中医協に検討の場を設けることを、日医から厚労省に強く申し入れるよう求めている。

　会見で藤川常任理事は、「大幅な入院基本料のアップをしていかないと、有床診療所を生き残らせていくことは不可能と認識している」と強調。
　要望書を受けての対応については、「要望書の趣旨も踏まえ、中医協の委員を務めている鈴木邦彦常任理事から発言していく考えを横倉会長は示しており、中医協や厚労省の関係者にも理解していただけるような形で丁寧に説明していくことになると考えている」と述べた。【津川一馬】

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