中央社会保険医療協議会の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」（分科会長＝田中滋・慶大大学院教授）が30日に開かれ、今村聡委員（日本医師会副会長）が、高額投資による消費税負担に対する手当てなど、消費増税に伴う医療機関の負担増への対応を検討するに当たっては、「必要な財源は、税金できちんと入れていただきたい」と求めた。厚生労働省側は前回の分科会で、高額投資への手当てについて、診療報酬改定や医療保険制度の中で対応する案を示していた。

　この日の分科会で今村委員は、日医で実施した消費税負担に関する実態調査を基に、医療機関の「控除対象外消費税」に対する診療報酬での補てんが不十分なことを示す資料を提出。一部の医療機関では「補てん超過」があるとしても、ほかの医療機関での不足額に比べて極めて少額だとした上で、「高額投資の消費税に対する手当てを含む診療報酬などにおける対応を検討するに当たっては、財政中立的な問題解決はとても不可能であり、新たな財源の裏付けが不可欠」と訴えた。一方で、「患者や保険者、被保険者に（診療報酬や保険料の）追加負担を求めるのは難しい」との認識を示し、新たな財源は税に求めざるを得ないとした。

　これを受け白川修二委員（健康保険組合連合会専務理事）も、「高額投資をした医療機関に直接的に補てんする仕組みを診療報酬の体系の中でやるのは、かなり困難な作業」と指摘。「（診療側、支払側の）双方が納得いく形となれば、今村委員が（資料に）書かれているような方法しかないのではないか」と述べ、税に財源を求めるべきだとの考えを示した。

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