厚生労働省は18日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会で、今年秋からスタートする先進医療の新たな運用の概要を報告した。薬事未承認や適応外の医薬品・医療機器を使うかどうかで、「先進医療専門家会議」と「高度医療評価会議」に分けて審議している現在の仕組みを見直し、「先進医療会議」(仮称)に統合するなどの内容。また、医療機関からの申請窓口も一本化し、事前相談にも応じる。中医協総会では、これらへの反対意見はなかった。
今回の運用の見直しは、保険導入されていない先進的な医療技術と保険診療の併用を認めるかどうかの審議を効率化するのが狙い。
先進医療には現在、薬事法上の承認を受けている医薬品・医療機器を使用する「第2項先進医療」と、未承認のものを使う「第3項先進医療(高度医療)」がある。第2項先進医療については、先進医療専門家会議で医療技術の有効性や安全性を審査。第3項先進医療は、先進医療専門家会議と高度医療評価会議の2段階で、医療技術の有効性や安全性のほか、医療機関の実施体制を審査している。
これに対し統合後は、有効性がある程度認められる技術を「先進医療A」に、必ずしも明らかでないものを「先進医療B」に位置付ける。このうち先進医療Bについては、専門家らによる審査部会で有効性や安全性を判断する。これら以外に、医療上の必要性が高いと認められた抗がん剤について、外部機関が審査するルートもつくる。医療機関からの申請を受け、先進医療会議がどのルートで審査するかを決める。
従来は、先進医療を申請するには国内での数例の実績が必要だが、見直し後は、臨床研究中核病院などに限り、実績がなくても申請を認める。
また、診療報酬改定に際して保険導入するかどうかを検討するため、先進医療を実施する医療機関は実施状況を毎年報告する。【兼松昭夫】
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