中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・学習院大教授)は23日の総会で、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)の遺伝子変異をターゲットとした分子標的薬で、非小細胞肺がんの治療に用いる、ファイザーの抗がん剤ザーコリカプセルなど、8成分10品目の薬価収載(29日付)を了承した。
通常、成人には1回250mgを、1日2回経口投与。患者の状態に応じて適宜減量する。
また、協和発酵キリンの成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)治療薬ポテリジオ点滴静注の薬価は20mg5mL1瓶15万5999円。同薬も原価計算方式で算定され、日本人の再発・再燃ATL患者を対象とした臨床試験結果を受けて、薬価算定組織は「一定程度の評価が可能」と判断。平均的な営業利益率に10%を上乗せした。
通常、成人には1回量1mg/1kgを、1週間間隔で8回点滴静注する。
アステラス製薬の高リン血症治療薬キックリンカプセルは、類似薬の協和発酵キリンのフォスブロック錠、中外製薬のレナジェル錠(フォスブロックと同一成分)の1日薬価に合わせて算定し、250mg1カプセル29.70円となった。
通常、成人には1回500mgを開始用量として、1日3回食直前に経口投与。症状や血清リン濃度の程度に応じ、適宜増減し、最高用量は1日7500mg。
このほかの薬価と、ピーク時売上高予想は次の通り。
▽夜尿症治療薬ミニリンメルトOD錠(フェリング・ファーマ)、240μg錠331.20円、20億円▽ニーマン・ピック病治療薬ブレーザベスカプセル(アクテリオンファーマシューティカルズジャパン)、100mg1カプセル9800.00円、10億円▽パーキンソン病治療薬アポカイン皮下注(協和発酵キリン)、30mg3mL1筒7550円、18.5億円▽遺伝子組み換えヒトデオキシリボ核酸(DNA)分解酵素製剤プルモザイム吸入液(中外製薬)、2.5mg2.5mL1管6664.80円、5000万円▽抗HIV薬エジュラント錠(ヤンセンファーマ)、25mg1錠2050.10円、12億円―。
このうち、アポカインについては、患者が在宅で自己注射ができる薬剤の対象にすることを総会が了承。また、エジュラントを、1回14日分を限度とする処方日数制限のルールから外すことも認めた。【津川一馬】
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