中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)が10日に答申した2012年度診療報酬改定案では、紹介状を持たずに大規模病院を受診した患者の初診料(270点)を200点に減額する。また、大規模病院が患者に地域の診療所などを紹介する旨を申し出たにもかかわらず、大規模病院を再び受診した患者の外来診療料(70点)を52点に減額する。いずれも選定療養費として、差額分を患者に請求できる。病院勤務医の負担軽減が狙いで、13年度から導入される。
薬剤師の病棟業務を評価する「病棟薬剤業務実施加算」(新設)は、週一回100点の算定を認める。
■金曜入院、月曜退院4割超で入基料8%減
全体に占める金曜入院、月曜退院の割合が計4割を超える医療機関の土曜、日曜の入院基本料を8%減額する。ただ、手術や1000点以上の処置が行われた日には適用しない。金曜に入院したり、月曜に退院したりした患者の平均在院日数が長い傾向があるためで、10月1日から施行する。
また、午前中の退院が9割超を占める医療機関では、退院日の入院基本料を8%減額する。入院日数が30日以上で、退院調整加算の算定がなく、退院日に手術や1000点以上の処置が行われていない患者が対象。これも10月1日から施行する。
患者の不安解消のための取り組みを評価する「患者サポート体制充実加算」は、入院初日に70点の算定を認める。
このほか、自己完結した医療を提供しているものの、医療従事者の確保などが難しく、医療機関が少ない19の二次医療圏と、11の離島部について、圏内にある小規模な医療機関の施設基準などを緩和。「栄養サポートチーム加算」(週一回200点)と「緩和ケア診療加算」(一日400点)については、専従要件を緩和し、専任の場合でも半額を算定できる。
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