中央社会保険医療協議会（中医協、会長＝森田朗・東大大学院教授）が10日、2012年度診療報酬改定を小宮山洋子厚生労働相に答申したことを受け、診療側委員は同日、厚労省内で記者会見を開いた。改定の内容に一定の評価を示しながらも、再診料や入院基本料の引き上げなどが中医協で正式な議題として取り上げられなかったことに遺憾の意を表明した。

　診療側委員は会見で、「中央社会保険医療協議会での12年度診療報酬改定答申を終えて」と題する文章を発表。病院勤務医の負担軽減や医療・介護の連携強化などを重点的に評価する12年度改定を「今後の医療提供体制の質の向上に寄与する内容」とし、一定の評価を示した。

　一方で、診療側が議論を求めていた再診料や入院基本料の引き上げ、いわゆる「ドクターフィー」導入の是非などが俎上に載らなかったことに対しては遺憾の意を示した。特に初・再診料や入院基本料などの基本診療料については、点数設定の根拠が不明確なままだと指摘。在り方の明確化と、コスト調査に基づく評価が不可欠だと強調した。

　診療所の再診料をめぐっては、「時間外対応加算」（地域医療貢献加算。12年度改定で改名）が3段階に再編され、後発品のある医薬品を一般名で処方した際に算定できる加算も新設される。
　これに関して安達秀樹委員（京都府医師会副会長）は、「新たな機能に点数が付いても、全体のベースメントには付きにくい状況にあることは認識しなければならない。しかし、ベースメントがつぶれてしまえば、新たな機能も発揮できない」と述べ、再診料の在り方に関する議論をすべきだとの考えを示した。

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