循環器病診療体制の変革が求められている。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、循環器病患者の救急搬送や手術に制限が生じるなど、診療体制が逼迫したからだ。政府が28日に閣議決定した第2期循環器病対策推進基本計画(2023-28年度の6年間を目安)には、診療の逼迫や受診控えが起きたことを踏まえ、「感染症発生・まん延時や災害時等の有事を見据えた対策」の項目が新たに設けられた。【新井哉】
■感染症と循環器医療の「両立困難」との指摘受け議論進展
循環器病対策推進基本計画は、「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(脳卒中・循環器病対策基本法)に基づき策定するもので、循環器病対策の総合的・計画的な推進を図るため、対策の基本的な方向を定めている。都道府県は、これを基に循環器病対策推進計画を策定している。
第1期計画(20-22年度)では、「新型コロナウイルス感染症を踏まえた対策」の項目を設け、新型コロナとそれ以外の疾患の患者に対する医療の確保について、両立を目指す体制整備を進めるとしていたが、その具体的な方策を示していなかった。計画策定時には、コロナ禍の課題や教訓、データなどを十分得られる段階ではなく、今回のような有事を見据えた対策を反映できなかったからだ。
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