1日当たりの診療報酬を包括払いにするDPCの導入は、急性期の入院医療にプロセスの標準化という成果をもたらした。医療DXで集めたビッグデータを活用することで、急性期以外の入院や外来医療でも同じようなことをできないのだろうか。厚生労働省医政局の田中彰子参事官へのインタビュー第2弾。【兼松昭夫】
■電子カルテのコストはなぜ高額なのか
-医療DXはいつごろの実現を目指していますか。
田中参事官 政府の改革工程表2022では、医療DXの3つの柱について、「医療DX推進本部」の議論を踏まえて2023年春に工程表を作成するとされています=図=。
-DPCが導入されて20年近くが経ち、急性期の入院で医療の標準化が進んだといわれます。医療のビッグデータを使って外来から入院、退院後をまたいで医療の標準化を進めるようなことはできないのでしょうか。
田中参事官 おっしゃる通り、DPCが導入されてから急性期の入院で医療の標準化が進みました。これを外来医療などほかの領域にも拡大すべきかどうかには議論があるでしょうが、個人的にはそうするべきだと思います。
電子カルテシステムの導入・運用コストが高額なのは、外来医療のプロセスが医療機関ごとに異なることも原因の一つです。外来患者さんがまず診察を受け、その後に待合室で待機し、検査を受けてから再び診察を受ける、というような医療機関の独自のプロセスに合わせるため、ベンダーがシステムをアレンジするのにコストと時間がかかる。
医療機関のそうした外来業務のプロセスを標準化できれば、ベンダーはシステムをアレンジしなくて済むのでコストと時間は抑えられるはずです。
そして、
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