大阪市の災害拠点病院が昨年10月末、「ランサムウェア」と思われる攻撃により電子カルテシステムに障害が発生し、通常の診療が一定期間行えなくなったことは記憶に新しい。サイバー攻撃が一層多様化して巧妙になっており、サイバーセキュリティー対策は医療機関にとって喫緊の課題だ。こうした中、厚生労働省は昨今の被害事案などを踏まえ、安全管理ガイドラインを3月中に見直す。各施設での対策のさらなる強化につなげたい考えだ。【松村秀士】
厚労省は、2022年3月末に改定した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(第5.2版)を、約1年後に改めて見直す。医療機関を標的にしたサイバー攻撃が相次ぐ中、より多くの医療機関で情報セキュリティー対策を講じることが求められているためで、医療情報システムの安全管理の実効性を高める狙いがある。
■意見募集の期限は3月7日
2月16日には、次のガイドライン(第6.0版)の骨子案の概要を公表するとともに、それへのパブリックコメント(意見募集)を開始した。
骨子案によると、ガイドラインの内容のさらなる理解を促すため、厚労省は第6.0版で全体の構成を見直す。本編と別冊について必要な見直しを行った上で、対象となる読者の類型ごとに分冊化を行って4編構成にする。
具体的には、各編に共通する前提内容を整理した概説編のほか、
(残り708字 / 全1275字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】